TRICERATOPS LEVEL32 感想など

2017年10月15日

LEVEL32
トライセラトップスのニューアルバム『LEVEL 32』が11/1に発売された。
勿論発売日に購入し、この数日で30ループくらいは聞いたと思う。
タイトルであるLEVEL32について、
公式WEBサイトでは『LEVEL 32の”32”はミートゥー(me too!)ということ。』だそう。
我々の世代(30前半)なら、『そろそろバラモスを倒しに行こうぜ!』ってな頃合ですよ。
これは、同世代のトライセラの方々にも通じるのでは?
冗談はさておき、本アルバムの感想など。
【総評】
  これまでの作風を変える試みが感じられる意欲作。
  骨太のロック調が前面に押し出された前2作に比べ、ややポップス調にシフトした感がある。
  そういう意味では5thアルバム『Dawn World』のコンセプトに近いと言えそう。
  ただ、『Dawn World』ではやや空回り感があったが、本作では安定感のある曲が揃っている。
  安定感がある分、『2020』に代表される彼らの独創的な世界がやや薄れたようにも思う。
  本作について、コアなファンからは賛否両論ありそうだが、
  良い意味で広く門戸が開かれた作品であると感じた。
  私は、『新しい自分』を探求し続ける彼らを支持する。
【各曲の寸評】
   1.トランスフォーマー
      シングルで聞いてしまったので新鮮味がないが、疾走感のある気持ちよい曲。
      歌詞は自己実現に奮戦する姿を表しており、本ブログのテーマと非常にマッチする。
   2.Scar
      ベースが印象的でクールな曲。Scarとは『心の傷』という意味。
      そのScarが自分を輝かせると歌う。私はそれほどの傷を負ったことがないなぁ。
   3.Warp
      カップリングでは勿体無いと思ったほど曲の完成度が高い。
      コアなファンでも納得の一曲では?
      歌詞は、トライセラの十八番であるフラレタ後の心情を歌う。
   4.Walk In The Park
      シンプルなアレンジが印象的。
      和田氏によると2つのコードだけで構成されているそう。何気に凄い!
      歌詞は切なく、綺麗なメロディとの相性は抜群。
      サビはトライセラ節炸裂で、1ループ目の視聴でもっとも気に入った曲である。
   5.Vine
      ファン層が重なるGrapeVineを意識した曲。・・・というのは、真っ赤な嘘。
      ここでのVineは『(伸びゆく)つる』という意味でしょう。
      ポップスな曲調。サビへつながるBメロがすばらしい。
   6.ホログラム
      イントロではヘビーなロックを予感させるが、いたって爽やかに進行。
      ただ、本アルバムでは極端に減った様に思う『OH!YEAH!!』が印象的だ。
   7.ベル
      シンプルなアコースティック・ギターの曲。
      個人的にはこういったしみじみ系は苦手だが、
      この曲はベースがあり、メロディが綺麗なので、全く問題なく聞ける。
      これまでのトライセラのアルバムなら6、7曲目で疲れてくるのだが、
      本アルバムではそういった中だるみがない。
   8.僕らの一歩
      本アルバムでは間違いなく中心となる曲でしょう。
      曲、歌詞ともに一段上を行く名曲。
      やがてベスト10に返り咲く『兆し』を感じれる一曲だ。
      間奏において、突然俯瞰視点に移行する部分での曲の広がりは特筆に値する。
   9.ハンマー
      和田氏曰く『俺達版"We Will Rock You"みたいな感じ』というだけあって、
      ドラムが本当にそれっぽいっす。
      この曲のテーマである『僕らはハンマー』っていうところが、
      独創的な発想だし共感できる。
      この曲での『OH!YEAH!!』も印象的。
  10.33
      第一印象はあまり良くなかった。でも聞き込む内にじわじわ順位を上げてきた。
      この曲もBメロが秀逸。サビを最大限に引き立てている。
      歌詞は、やはりトライセラの十八番であるフラレタ後の心情・・・なのだ。
  11.アンブレラ
      この曲は、本アルバムで最も好きな曲だ。
      この曲では、私の脳内でモノクロの映像が鮮明に浮かぶ。
      例えば、出だしの『青いTシャツ紺色に染まり』のくだりでは、
      脳内では薄い灰色が濃い灰色へ点々と染まってゆく様が思い浮かぶといった具合。
      そして、駅の階段で突然夢の世界(過去)へトリップする展開も面白い。
      そこでは理想の自分が活躍するが、
      その夢の果てに現実の自分も同様に素晴らしい存在であると気付く。
      誰しも特別な存在になりたいと願うが、
      既に特別な存在であるという普遍的なテーマが根底に流れる。
      曲のアレンジも不思議な魅力に包まれた秀作である。
      ただ、最後の『チャンチャン』っていう終わり方が蛇足である様に思うが・・・。
  12.ブレーカー
      本アルバムで唯一気に入らない曲。
      どこにでもありそうなロック調のポップスって感じが好きになれない。
      『君と同じケーキをたのみ~』の部分は、
      和田氏の女性に対するスタンスを表していて面白い。      
【関連する日記】
  2006.03.22『TRICERATOPSを語る』