先日、嫁の両親が東芝製ノートPC「dynabook AX/53C PAAX53CLP」を購入した。
このノートPCを、嫁の実家にある無線LANネットワークへ参加させようと試みたが、
なかなか苦労したので、その一端をここに記す。
【チャンネルAUTOで悩む】
現象は、dynabook(子機)からPLC製BLW-03FA(親機)が見つからないという内容。
問題の切り分けのため、以下の内容を確認した。
・親機、子機ともにハードウェアに問題はない。
・親機、子機のファームウェアやドライバは最新版である。
・親機の設定は、MACアドレスフィルタやセキュリティをOFFにするなど、
問題となりそうな部分は排除した。
・親機と子機の距離を可能な限り近づけた。
親機がやや古いので相性問題も疑ったが、まずはインターネットで情報収集してみた。
しかし、同様の問題で悩むケースは見当たらなかった。
次に、設定に問題があるとみて調べてみた。
まずdynabookの仕様を見てみると、
「IEEE802.11b/g準拠(Wi-Fi準拠、WPA対応、128bit WEP対応)、1~11ch」
と記載されている。
最後の1~11chをわざわざ書いてある点が気になり調べてみると、
国内でのIEEE802.11bのチャンネル数は、1~14chまで使えるらしい。
親機のチャンネル設定は、デフォルトでAUTOになっている。
ひょっとすると、AUTOにより12~14chが選ばれている可能性があった。
そこで、1、6、11chといった固定チャンネルにしてみたが、状況は変わらなかった(※)。
※チャンネル固定は有効だったが、
次の問題がありこの時点では解決に至らなかった。
【ステルスAPで悩む】
チャンネル設定でもうまくいかなかったので、親機について調べてみた。
クチコミから説明書、ファームウェアなどを調べた結果、
最新ファーム(Ver.2.07E)を適用すると、無条件にステルスAPとなるという事実を発見。
自分がファームウェアを適用したのであれば、こうした事実も知っていたのだが、
私が設定した時には既にファームが最新に適用されていたので、
知るまでに時間がかかってしまった。
通常、ステルスAPの有効/無効は設定画面で変更できるものである。
「設定が無い」=「ステルスAPにはできない」と考えるのが普通だ。
ところが、この親機は勝手にステルスするという親切が高じて、
不親切極まる仕様になっていた。
せめてESSIDの設定画面に注釈が書かれていれば時間を節約できたのに・・・。
【結論】
原因がわかれば、あとは簡単。
手動でワイヤレスの設定を施して(※)、接続を確認できた。
※VistaでステルスAPに接続する場合は、
「ネットワークがブロードキャストを行っていない場合でも接続する」にチェックが必要。
結果的に2つの問題があった。
1.ノートPCのチャンネル数が、国内規格より少なかった。
2.無線LANルータが、勝手にステルスAPにされていた。
相性が悪かったといえばそうなのかもしれない。
私が使っているコレガの無線LANルータはデフォルトで6chが選ばれているし、
他のノートPCなら1~14chまで対応(※)していただろう。
※Qosmioでも1~11chの注釈があったので、
東芝製ノートはチャンネル設定に注意したい。
【今後の無線LAN】
このように、無線LANの構築は一歩間違えるとドツボにハマる危険性がある。
最近では「AOSS」や「らくらく無線スタート」などのユーザー補助技術があり、
またそれらを統合する「Wi-Fi Protected Setup」という標準仕様も出てきているが、
「買ってきて電源を入れるだけ」という訳にはいかない現実がある。
個人的には、ユーザー補助技術は好きではない。
特にセキュリティ設定をブラックボックス化するのは危険に思う。
こういう技術の対象者は、セキュリティ設定の妥当性を検証しない。
つまり、「セキュリティ設定したつもり」になる恐れがある。
また、補助技術に対応しない機器をネットワークに参加させられなかったり、
トラブル発生時に手の施しようがなかったり、
これからますます便利になるであろう無線LANライフを満喫できないからだ。
DSやWii、PS3といった家庭用ゲーム機も無線LAN対応になって、
普及に拍車がかかっている状況ではあるが、
「急がば回れ」の精神で基礎知識を身につけることから始めるのが良いと思う。
無線LAN設定で悩む

コメント