無線LAN設定で悩む

2017年10月15日

先日、嫁の両親が東芝製ノートPC「dynabook AX/53C PAAX53CLP」を購入した。
このノートPCを、嫁の実家にある無線LANネットワークへ参加させようと試みたが、
なかなか苦労したので、その一端をここに記す。
【チャンネルAUTOで悩む】
  現象は、dynabook(子機)からPLC製BLW-03FA(親機)が見つからないという内容。
  問題の切り分けのため、以下の内容を確認した。
  ・親機、子機ともにハードウェアに問題はない。
  ・親機、子機のファームウェアやドライバは最新版である。
  ・親機の設定は、MACアドレスフィルタやセキュリティをOFFにするなど、
   問題となりそうな部分は排除した。
  ・親機と子機の距離を可能な限り近づけた。
  親機がやや古いので相性問題も疑ったが、まずはインターネットで情報収集してみた。
  しかし、同様の問題で悩むケースは見当たらなかった。
  次に、設定に問題があるとみて調べてみた。
  まずdynabookの仕様を見てみると、
  「IEEE802.11b/g準拠(Wi-Fi準拠、WPA対応、128bit WEP対応)、1~11ch
  と記載されている。
  最後の1~11chをわざわざ書いてある点が気になり調べてみると、
  国内でのIEEE802.11bのチャンネル数は、1~14chまで使えるらしい。
  親機のチャンネル設定は、デフォルトでAUTOになっている。
  ひょっとすると、AUTOにより12~14chが選ばれている可能性があった。
  そこで、1、6、11chといった固定チャンネルにしてみたが、状況は変わらなかった(※)。
  ※チャンネル固定は有効だったが、
   次の問題がありこの時点では解決に至らなかった。

【ステルスAPで悩む】
  チャンネル設定でもうまくいかなかったので、親機について調べてみた。
  クチコミから説明書、ファームウェアなどを調べた結果、
  最新ファーム(Ver.2.07E)を適用すると、無条件にステルスAPとなるという事実を発見。
  自分がファームウェアを適用したのであれば、こうした事実も知っていたのだが、
  私が設定した時には既にファームが最新に適用されていたので、
  知るまでに時間がかかってしまった。
  通常、ステルスAPの有効/無効は設定画面で変更できるものである。
  「設定が無い」=「ステルスAPにはできない」と考えるのが普通だ。
  ところが、この親機は勝手にステルスするという親切が高じて、
  不親切極まる仕様になっていた。
  せめてESSIDの設定画面に注釈が書かれていれば時間を節約できたのに・・・。
【結論】
  原因がわかれば、あとは簡単。
  手動でワイヤレスの設定を施して(※)、接続を確認できた。
  ※VistaでステルスAPに接続する場合は、
   「ネットワークがブロードキャストを行っていない場合でも接続する」にチェックが必要。

  結果的に2つの問題があった。
  1.ノートPCのチャンネル数が、国内規格より少なかった。
  2.無線LANルータが、勝手にステルスAPにされていた。

  相性が悪かったといえばそうなのかもしれない。
  私が使っているコレガの無線LANルータはデフォルトで6chが選ばれているし、
  他のノートPCなら1~14chまで対応(※)していただろう。
  ※Qosmioでも1~11chの注釈があったので、
   東芝製ノートはチャンネル設定に注意したい。

【今後の無線LAN】
  このように、無線LANの構築は一歩間違えるとドツボにハマる危険性がある。
  最近では「AOSS」や「らくらく無線スタート」などのユーザー補助技術があり、
  またそれらを統合する「Wi-Fi Protected Setup」という標準仕様も出てきているが、
  「買ってきて電源を入れるだけ」という訳にはいかない現実がある。
  個人的には、ユーザー補助技術は好きではない。
  特にセキュリティ設定をブラックボックス化するのは危険に思う。
  こういう技術の対象者は、セキュリティ設定の妥当性を検証しない。
  つまり、「セキュリティ設定したつもり」になる恐れがある。
  また、補助技術に対応しない機器をネットワークに参加させられなかったり、
  トラブル発生時に手の施しようがなかったり、
  これからますます便利になるであろう無線LANライフを満喫できないからだ。
  DSやWii、PS3といった家庭用ゲーム機も無線LAN対応になって、
  普及に拍車がかかっている状況ではあるが、
  「急がば回れ」の精神で基礎知識を身につけることから始めるのが良いと思う。