大林宣彦監督作品 ふたり 鑑賞する価値あり!未見の方は是非!!

2018年8月11日

「異人たちとの夏」「さびしんぼう」と、私の最近のヒット作は大林宣彦監督作品。

というわけで、続いて新尾道三部作である「ふたり」を観てみた。
これがまた素晴らしい映画だった。
これまで大林監督のイメージはアイドルを起用したミーハーな映画を撮る人だったが、そのイメージは大きな間違いである事が分かってきた…

何がそんなに良かったかを考えてみると、言葉にするのが難しい…

が、一つ言葉にするとしたら、北尾実加のひたむきさかな。
安易に恋愛に逃げない強さと、今にも壊れそうな儚さが同居していて、ずっと傍で応援したくなる。そして石田ひかりが可愛すぎるよ、いやまぢで(笑

それから、雨かな。
特にピアノ演奏シーンの雨。
他は、中江有里の家に物申しに行く時の雨も良い。不倫相手と父が抱き合い、それを見ているシーンも雨。
とにかく雨が印象的に用いられていた。

どっちでも良かったのは、舞台が尾道であること。相変わらず美しい風景だが、この物語と舞台が尾道である必然は感じなかった。

あと久石譲の音楽。
主題歌はかなり良い雰囲気なんだけど、ジブリ作品を連想してしまうし、ええやろーって押し付け感も出てきて、かえってノイズに感じる側面があった。悪くはぜんぜんないけどね…

良くなかったと思うのは、
尾美としのりがイケメン扱いされてるところ。
イマイチ納得できず感情移入を阻害される。悪い男に騙されちゃダメ!と思ってしまった…
(私的には、姉と争ってまで取り合う男か?と思ってしまう)

あと、合成のシーンかな。
特にマラソンのシーンはあまりにも違和感があって、尺も長いしバッサリカットしても問題なかったんでは?

第九のシーンもやや違和感があったが、まぁ許せる範囲かと。
それより、尾美としのりが怪しげに(否、運命的な出会いとして?)近づいてくる方が気になったわ…

物語としては後半(中学卒業後)の展開はつらかったなぁ…尺もやや長く疲れてくるし。
特に父の不倫はアカンやろーと思う。
父としても何か心のスキマがあって、埋め合わせたかったのかもしれないが、家族で結束して進むしかない状況下で、不倫という裏切りはかなり罪が重いと思う…。

まぁ、イロイロと書いたけど大林監督作品が好きなら間違いなくオススメできるし、邦画好きでなんとなく大林監督のイメージが悪い人にも是非手にとって見てほしい作品である。

p.s.
実加の親友の子、ベリーショートじゃなかったらかなり美形なはず!と思って調べてみたら、青春デンデケデケデケの1日海水浴デートした彼女なのね。
あの子はとてもチャーミングだったわ。