映画「万引き家族」 社会的弱者に甘んじた大人3人の物語

是枝監督の最新作「万引き家族」が早くもプライム指定で観れるようになった(謝

カンヌ国際映画祭で賞(パルム・ドール)を取ったのは、記憶に新しいところ。

PG12指定。万引き云々より性描写が少しあるので、12歳以上か否かによらず、親子で観るのは避けた方が無難な内容。やや気まずくなること請け合い(汗

また、12歳未満は観て楽しいとか、考えさせられるぅ~とかもあんまり期待できないから、12歳を過ぎてからの鑑賞で遅くはないと思う(あくまで個人的な感想です…)。

ここからネタバレ満載かつ好き勝手にいきます!!

万引きしなくても生活できるんじゃ…

遺族年金11万と働きざかりの大人二人が居て、経済的な貧困から脱出できん!という道理は通らない。しかも初枝は月命日に3万をせびっていたし。

治は前科者というハンデはあるだろうが、バイトでも一人10万は軽いでしょ。全部で31万。家もあるみたいだし、普通に暮らせるレベルじゃない?なんなら東京から離れて、家も売って、もっと物価の安い田舎で暮らせたかもしんない。

なぜ万引きを続ける?

特段に贅沢な生活をしてる風ではない。無駄遣いしてるとしたらパチンコか…(汗

そんなもん、いますぐやめれや。

まして治と信代は祥太とりんの父親・母親を目指しているんだ。

子供に犯罪させてどないするんじゃい(怒

社会的弱者に甘んじた大人3人

先に述べたように、その気になれば万引きや置き引きのような犯罪に手を染めずに普通に暮らせるはずだし、亜紀に至っては(初枝が親から毎月3万せびってるから)働く必要すらないのに、いかがわしいお店で稼ぐことを選んでいる。もし初枝の復讐心から彼女を辱めていたのなら、それはそこらのホラー映画より余程残虐である(怖

社会から見放された!捨てられた!といつまでもいじけてる様に見えて、悶々とする。

しかも、彼らは「関係の貧困」からは”万引き家族”として生活することで脱出してる、あるいは脱出しつつあるのに、も関わらずだ。

それはあの微笑ましい海水浴への旅行に代表される形で、随所で物語っている。

ならば次は「経済的な貧困」からの脱出を目指すべきだが、社会人として闘うのは今更しんどいのだろうか、立ち上がろうともせず、ある種自ら社会の底辺に居座っている。

社会的弱者として振る舞う方が、社会人になるよりラクだからだろう。

遺族年金は、社会人の血税から捻出されてんだぜ。万引きされたスーパーだって、汗水垂らして働いて稼いだ利益をかすめ取られてんだよ。置き引きされた車の主とて決して悠々自適に暮らしてるわけじゃねぇんだよ!

いつまでいじけてウジウジやっとるねん(怒

独立独歩に挑んだのは祥太

治の息子である祥太が、万引きは悪いことであり、妹を犯罪に荷担させたくない!と考えた、ただ一人であり、”万引き家族”がはまりこんだ沼からの脱出を志向する。

彼がいなかったら、彼自身も妹も底なし沼に飲まれて、一生そこから出られなかったかもしれない…(恐

ゆりを誰も助けようとしない??

ゆりを虐待親の元へ戻すときの話。

いや、彼女を親の虐待から助けるのはめちゃ難しい問題なのは分かってる。血縁関係に他人が土足で踏み込めないデリケートな問題であることも分かってる。

けど、声くらいは上げてくれよ。特に信代!あなたも同じ境遇に居たのだから、帰したら大変な事になるのはわかるだろう。だから必死に止めろよ!そりゃあの小憎たらしい女警官(池脇千鶴)に一笑にふされるに違いない。違いないけど、声だけは上げて欲しかった…

シーンには登場しないだけで、散々言うた!けど相手にされなかった…という展開があったと信じたいところ。

祥太も自分だけ施設行って学校行ってせずに、妹も一緒に連れてってやれよ。それを警察に必死で懇願しなよ(セツナイ

まとめ

少なくとも、面白いとか面白くないという尺度で語る映画ではない。

ただ、考えさせられる映画ではあるが、虚構を精緻に組みすぎてリアリティが薄れるジレンマもちょいちょい垣間見られる。それは同監督の「誰も知らない」にも似ている。

そんな訳で、海外の人にはウケたようだが、日本人ウケしない映画と思った。

関係の貧困(親からの虐待等)は、経済の貧困より深刻で、大人になっても引きずるのは、何となく分かるように思う。

でも、彼らは非血縁でありながら、密度の濃い愛情に満ちた家族をゲットしたのだ。かつての非道が肯定される訳ではないが、過去は過去。明日へ向けて前向きさへ舵を切れば、望む未来が待っているかもしれない。

できるなら、彼らが”万引き家族”として一つ屋根の下で暮らす間にみんな更生へ向かって欲しかった。

なぜなら服役しようがどうしようが、生ある限り彼らの人生は続いていくのだから、関係の豊さを土台にすれば少しは楽ができただろうに。豊かな時を甘えでやり過ごしたのは勿体なかったと思う。

ただ、いつからでもどこからでも、出発はできると信じる。

遅すぎた事はひとつもないのさ♪ by 和田唱

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