ビリギャル 非常にうまく作ってる、けどなんか物足りない…
プライムビデオで無償公開されている「ビリギャル」を観た。
とてもうまく作られてて、多分これを観てつまらん!という人は少ないんだろうなって思える。
子どもからお年寄りまで幅広く愉しめる良作と言えるだろう。なので、もしかすると家族団欒しながら観るのに適してるかもしれない。
私も愉しみながら鑑賞できた。
しかし、何かわからない物足りなさが劇中ずっーと付きまとってた。
なので、何が物足りなかったのかを考えてみる。
- どーせ合格するんだよね。この先どうなるんやろーというドキドキ感が皆無。
- 中学生から所謂不良になったんだと思うが、父親はアカンにしても母親(あーちゃん)からあれだけ愛され信頼されてて、あそこまでこじれた理由がわからん。
- あの高校教師、生徒に面と向かって「クズ!」とは言わんでしょ。言ったら社会問題になるよ…
- 有村架純が好みぢゃない(笑。
- 有村架純の演技がヘタ。悪ぶってるけど、内には大いなる知性を秘めている!という雰囲気を演出しないといけないが、全然出せてない。
- 勉強に目覚めて遊び友達から応援される展開はありえない。甘いな!足を引っ張るか仲間外れにするか、嫉妬やら焦りやらでたぶんそんな感じになる。
- 弟のりゅうた。小さい頃から屈折してたとはいえ、人一倍努力してきた。高2まで遊び呆けてた姉を引き立てるために挫折させられる。努力は君を裏切らない。姉はにわか努力だけや。長い目でみたら彼の方が味わい深い人生を歩むだろうに、なんかアカンタレ扱いされてるのに違和感…
- ラスト、新幹線から手を振る塾講師(伊藤淳史)。彼はあの場所しらんでしょって思った。あそこは父か、弁護士の息子が居るべきでない?
良かったところ
- あーちゃん(吉田羊)は巧い。何があっても子供を信頼して愛し続ける母の強さが、よく表れていて好感がもてる。
- 名古屋大を目指す弁護士の息子。彼は良い味出してた。悪態をつく内側に知性を感じる。繰り返しになるが、主人公には知性のカケラも感じられない。他にもっとよい女優さん居たでしょうが…
- 伊藤淳史、田中哲司など安定の演技。熱血塾講師ややりすぎな父親というとんがったキャラを違和感なく表現できてる。
というわけで、何もかもハッピーに向かう悪い意味で邦画らしい映画だった。
別にハッピーエンドで全然良いんだけど、幾多の苦難を乗り越えてゲットするハッピーエンドって味わい深いよね?この映画ではなぜかその味わいがほとんどない。うまく作ってるだけに、あと一味足りないのがもったいない、と思った。
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